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サーティンキュー

沢木耕太郎著「時の廃墟」を読む




沢木耕太郎



★偶然に出会った沢木耕太郎著「時の廃墟」という本。この本を今日一日読んでいた。20歳代の頃、沢木耕太郎の「地の漂流者たち」に感動したことがあったが、この30年間は読んでいないのは、彼の「放浪」の世界に興味が持てなくなったからだ。



★日本の、アングラ演劇、屑屋、自衛隊、川崎の若き労働者、石原慎太郎、カシアス内藤、海外放浪、などをテーマに作品を書き、若き頃から日本と世界を放浪していた沢木耕太郎だが、どこに行きついたのか?若き頃の無名のルポライターの頃の沢木幸太郎の作品は面白かったが、あまりにも早く成功して有名になり、1985年あたりに「バーボン・ストリート」を出したあたりから興味がなくなった。30歳代で酒のエッセイとは、ずいぶんと成金で退屈な人間になった膿~?とあの頃、軽蔑していたもんだ。



★ウィキペデアで沢木耕太郎と検索すると、まだ生きていたことが分かったwww 全く彼の噂が聞こえてこない30年数年だったから。で、今は何を書いているのだろうか?

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『キャパの十字架』文藝春秋(2013年)のち文庫 
『流星ひとつ』新潮社(2013年)
『わるいことがしたい!』ミスミヨシコ絵 講談社 2012
『いろはいろいろ』和田誠絵 講談社 2013
『旅の窓』幻冬舎 2013
『ホーキのララ』貴納大輔絵 講談社 2013
『波の音が消えるまで』新潮社 2014 (小説)
『キャパへの追走』文藝春秋 2015
『銀の街から』朝日新聞出版 2015
『銀の森へ』朝日新聞出版 2015
春に散る (2015年4月1日 - 、朝日新聞連載)
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★ざっと上のタイトルを見ていると買って読む気になる本は一冊もない膿~と感じる。沢木耕太郎が良かったのは、1970年代の前半、無名の頃に書いたものと、深夜特急などの海外放浪、そして今日読んた三浦和義を題材にしてブルータスに書いた「奇妙な航海」などだろう。



★若き頃の沢木耕太郎は何かを求めて放浪していた。鷲は数字の≪ 9 ≫と数字の≪ 13 ≫に行きついたが、今の沢木耕太郎は真実を求める!という情熱もなくなったのではないのか?それを沢木耕太郎の最近書いている本のタイトルに感じる。



★金を稼ぎ生きていける≪ 文章の力 ≫が彼は若き頃からあった!ということだろう。しかしそれを売文家と言い、ダンテの神曲の地獄編では地獄の8段目の住民となる。ダンテの神曲の地獄偏では売文家は精神を売るという罪の者であるから8段目に堕ちる。売春婦は肉体を売るが、精神を売る売文家の方が罪が重い!というのは今では新鮮な発想に思える。ダンテの神曲の中の古典的(グノーシス的)な発想を発見することは面白い。さて「奇妙な航海」に出てくる見城という人物、そして百田直樹もダンテの世界では売文家の地獄の8段目の人物である、と鷲は見ている。カネになれば何でも良い!という発想は何事もヤバイ!発想であると鷲は思っている。



★今日、改めて読んだ限りでは沢木耕太郎の文章は読みやすくて面白い。しかし彼はいつまでも経っても処女作の「地の漂流者」であり続けると鷲には感じる。いや、いまだに「地の漂流者」ならまだいいだろう。年老いて「地に埋もれてしまう叶姉妹」もかなりあると思うが。すでにそうなっている叶姉妹がかなりあるがwww








1、「奇妙な航海」 ~ 「時の廃墟」の10番目の作品


ロス疑惑(三浦和義事件)



★これは1985年12月1日号のブルータスに掲載された沢木耕太郎のノンフィクション作品である。非常に面白い作品で一気に読むことができた。そして三浦和義事件の大騒動があった1985年から31年も、今、経過したのか?と感慨深い思いが湧いてきた。鷲にとっては1985年は感覚としてはチョット前だし。鷲にとって1985年は実に記憶にある年だったから。



★あの頃のワイドショーの悪の大スターは三浦和義。2016年の、今、三浦和義の名は日本では殆ど忘れ去られた。その事実にもまた驚く。遠い世界であった保険金殺人というのを日本に堂々と持ち込んだのは三浦和義だった。彼が法的には無罪であったのも彼の緻密な犯罪計画がある程度成功したからだろう。で、三浦和義の最後は死刑でなく自殺?それも不可解で謎に満ちている。



★さて三浦和義より主役は沢木耕太郎の「奇妙な航海」というノンフィクションの作品。この中で驚くのは、あの1985年9月の三浦和義逮捕劇という巨大な劇場犯罪の中で、沢木耕太郎が直前まで三浦和義の身近にいて話せる距離に居たという事実。さすが沢木耕太郎はスター物書きである。そこに第一に感動した。



★そして三浦和義の奥さんの「ヨシエ(良枝)さん」とは当時はもの凄く有名だったのだが、その良枝さんとも沢木耕太郎は会話できる距離にいて、今の幻冬舎の見城徹という人物も、あの事件の頃に沢木耕太郎の身近にいる。あらためて考えると、沢木耕太郎は作家としては超エリート街道を歩んできた人物だと再確認した。



★犯罪者とは黒い月に支配された者である。特徴は性的な退廃者。三浦和義があの時の大喧噪の中なのに、SM嬢に密かに遭いに行く場面が一番面白いところだ。あの喧噪の中でありながら、密かに三浦和義がSM嬢に遭いに行き、SM嬢は三浦和義を虐めるプレイをする。



★その中でサド嬢が「なんで一美さんみたいな良い人を殺して、良枝のような嫌な女と一緒になったのよ!」と虐めると、マゾの三浦和義が興奮して、己の全ての犯罪の真実をサド嬢に話すという電話の内容、そこが一番面白い。あのサド嬢は1985年の時にすでに三浦和義事件の全ての真相を知っていた!?というわけだ。



★それが真実なのか?SM嬢の妄想なのか?そこに謎がある点が、この作品の一番良い点だろう。そしてあの頃の出版社で働いている人物やパパラッチのような報道人たちも、実は三浦和義と似たような精神の者たちであった。



★沢木耕太郎と三浦和義は1947年生まれの同い年である。沢木耕太郎の「奇妙な航海」という作品のテーマは、1947年生まれ(或いは戦後生まれ)の負のシンボルの一人が、「何一つ本物の価値を掴めず、金のために魂をカネで悪魔に売って生きるしかなかった三浦和義」である!ということ。それを沢木耕太郎はこのノンフィクションで表現したかったのだろうと鷲は感じるし、非常に良い作品に仕上がっている。

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補足

★ダンテの地獄編では、地獄は9段階がある。一番下の9段目の地獄は「金のために魂を金で売った者たち」が落ちる地獄である。1985年9月、日本で最大の騒ぎであったロス疑惑の三浦和義は「金のために魂を金で売った者」の典型的な人物であった。あれから31年経過して、今の日本の最大の騒ぎは豊洲移転と2020年東京五輪。



★豊洲移転も内田茂・石原慎太郎・森喜郎、スーパーゼネコン、ゴールドマンサックスなど、金のために魂を悪魔に売った連中が移転推進をやっていたわけで、2020年の東京五輪にしてもIOCのバッハやコーツやJOC元役員の春日などをみれば五輪マフィアにすぎない!と感じる。五輪というのはマフィアの金儲けのため!と日本人は見抜かないとならない。リオ閉会式の安部マリオだって約12億で制作したが9億を電通が抜き、残りの3億も様々に万引きされて、実質製作費は5000万くらいか?wwwwww



★世界が「金のために悪魔に魂を売った者」に支配されているわけだが、今は天註の時代が来たということ。その天註を与える人物が、フィリピンの麻薬中毒者殺しのドゥテルテだったり、米国のトランプだったり、日本の小池百合子だったりする。



★今、あらためてロス疑惑(三浦和義)事件を考えると、三浦和義という暗号の意味は「金のために魂を悪魔に売った者」の日本への上陸であった!


















by xuzu9851 | 2016-10-30 19:30 | Comments(1)
Commented by 三峰真白 at 2016-10-30 23:44 x
♣クラブ=江戸時代~明治時代
♠スペード=大正時代~昭和戦前
♢ダイヤ=昭和戦後~平成「今」
♡ハート=???
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